内向型でいいんだと気付かされた~内向型を強みにする:書評

普段書評などしないブログなんだけど、Kindle unlimitedで読んだ本が印象に残ったのでレビュー。
マーティ・O・レイニー著、務台夏子訳の「内向型を強みにする」という本。
内向型とはどういう性質なのか、その気質とどう付き合っていったらいいのかが具体的に書かれている。
自分自身内向的なところはあると思っていたけど、読んでみて自分の性格が確実に内向型であることがはっきりした。
また、これまで内向型であることを恥じていた部分があったことにも気がついた。
しかしこの本を読んでこうした自分の性格に対する見方を変えることができ、内向型でもいいじゃないかと思えるようになった。

まず、外向型と内向型の違いについて、次のような説明があった。
外向型はエネルギーを外から得、内向型はエネルギーを内から得る。
なるほど、と思った。自分は社交的な活動(7-8人のそれほど大きくない集まり)を2~3時間もすると疲れて帰りたくなるのに、周りにいる活発な人たちがなぜあれだけ長い時間、一日中続けられるのかその理由がわかった。
外向型は人と接して刺激を得れば得るほどエネルギーが充満していき、内向型はその逆にどんどんエネルギーを消費していく。
自分はそれがわかっているのでエネルギーをセーブしてしまい、なにか誘われてもエネルギーが足りるかどうかという心配をしてしまう。
そして誘いを断ることにも罪悪感を感じてしまって自己嫌悪という形に陥っていた。
でも本書は自分のエネルギーレベルを知り、それに応じて自分の行動を決めることは何も間違ったことではないということを教えてくれる。
エネルギーを使い果たしてしまう前に休むことは何ら悪いことではない。たとえ友達は元気いっぱいでいろいろな活動に誘ってくるとしてももし燃料不足なら断ればいい。
燃料不足、そう、行きたいという気持ちはあっても体力と気力がない、もしくは行くとすっからかんになることが予想される場合無理にしなくていいと思うと気が楽になる。

返事の遅さにも言及されていて、内向型は一度しっかり考えてから出ないと答えられない。考えがまとまってから話す必要がある。
これは外向型の人間がぱぱっと瞬時に話すことを考えて口から出すのとはまるで違う。
自分の場合もそうで、聞かれたことにすぐにぱぱっと答えられない、ということがつねづね合って、自分は頭の回転が遅いんだと思っていた。
でもこれも内向型の性質によるものなんだ、と気がついた。そして「ちょっと考えさせて」とか「あとで返事するね」など、一呼吸置かせてもらって考えをまとめてから話せば別にいいということも教えられた。いわば開き直りというか、自分は即答できる質ではないということを認めてしまうこと。欠陥があるわけではなく脳の働きかたが違う、ただそれだけのこと。

とくにこの社会が外向型の人間のほうが数が多く(75%は外向型だという)、外向型有利にできていて、外向型の方が優秀だ、と考えられている。内向型の人にとってこの世界で暮らしていくのは、陸に打ち上げられた魚のようなものなのだ。という説明にははっとさせられた。
それだからこそ内向型が生きていくには、無理に自分を外向的に変えなければならないという誤った思い込みを捨てて、内向型でもいい、自分は自分のいいところがあるし、決して劣っているわけではないという自尊心を持つことが大事になってくる。

僕はいままで少しでも社交性を身に着けようとコミュニケーション技術の本を読んだり、やれ雑談力を上げるだのウケる話し方だのハウツー本を読んで来た。もしかしたら自分を外向型にしたいという思いがあったのかもしれない。
でも自分を変えようとする必要はないということを本書は教えてくれる。内向型を外向型に変えるのではなく、内向型のままうまく自分とそして他の人と付き合っていく方法を学べばいいのだということに。
たしかに自分はグループの中での発言が少ないかもしれない。自分でなにかここに行きたいとか何かをしたいと主張することはないかもしれない。急に意見を求められてもうまく答えれれず口ごもってしまうだけかもしれない。友達にパーティに誘われても気乗りがせず断るかもしれない。
でもだからなんだというのだ。別に何も考えていないわけではない。意見がないわけでもない。別に人付き合いをしたくないわけではない。ただ体力が無尽蔵にあるわけではなくセーブしてしまうだけ、すぐに意見がまとまらないだけ、自分から主張するより周りに流されたほうが楽なだけなのだ。
人のペースに無理に合わせず、自分は自分のペースで生きていけばいい。
内向型でいいんだと。
この本を内向型だということにうすうす気がついているものの、自分に自信が持てず、劣っているんじゃないかとかなんでこうなんだろう、もっと外向的になれたらいいのにと思っている人にぜひ読んでもらいたい。

この記事を書いた人

PHPが好物な個人開発プログラマ。フリーランスエンジニアとしてWebサービス作ったりしてます。15年の経験を生かしてMENTAでメンターもやってます。WordPressやPHPでお困りのことがあればご相談に乗りますのでDMください。

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